強引上司の溺愛トラップ
「……え?」
あれ?おかしいな。神くんだったら喜んで引き受けてくれると思ってたのに、何か苦い顔されてる…?
「……あ、ごめん、もしかして忙しい? もちろん仕事から帰ってきてからでいいんだけど。これから出勤だよね?」
「あ、あー、うん。いや違うんだ。なんか、前髪切ったら、一島くん以上に喜んでしまう男性がいるんじゃないかと思ってしまって」
「え? 私が前髪切って喜ぶ人なんている訳ないじゃん。あ、お母さんは喜ぶかも」
そうだね、と神くんは変わらず困ったような笑みを浮かべていたけど、私が前向きになったのは喜ばしいことだと言って、今日の夜にカットしてくれることになった。