強引上司の溺愛トラップ

私はあなたのことを、どう思ってるんでしょうか。

「飲みに行くぞ」


金曜日。仕事が終わりかけていた私に、課長が突然そう言ってきた。


私は椅子に座ったまま答える。


「ええと……私はいいんですが、先輩や係長は家庭もありますし、いきなり飲み会って言うのも難しいんじゃないかと」


私はいいんですけど、と言ってしまうのは、私のズルい性格だった。直さなきゃいけないとは思ってるんだけど。



「お前が空いていればそれでいい」

「はい?」

「他の奴は誘ってない。というか、お前だけを誘ってる」

「!」

「私はいいんですけど、ってことは、空いてるってことだな。付き合え」

ズルい性格が、裏目に出た。
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