強引上司の溺愛トラップ
課長は私の髪をまじまじと見ながらそう言った。
やった、褒めてもらえた!
私服がラフな分、髪をしっかりセットしてきたんだよね……といっても、やってくれたのは神くんだから私が偉そうに出来ないんだけど……。
でも、普段は肩まである髪を後ろでひとつで縛っているだけだから、編み込みしたりアイロンでカールさせたりしてきた今日の髪形が、課長にとって新鮮だと思ってくれたのなら嬉しい。
……とか何とか思っていると、課長は
「この編み込んであるとことか、どうなってんの?」
と、突然私の髪に触れてきた……。
「!!?」
この間キス寸前までいったとはいえ、それ以上のことはまだ何もないため、恋愛初心者の私は、髪に触れられることですら過敏に反応してしまう。それが気になる人――課長に触れられたのなら、尚更。
また意地悪してるのかな? 私が動揺してるの見て面白がってるのかな?
とも思ったけど、どうやら課長の表情を見ると、そういう訳ではなく、単純に純粋に私の髪の構造を知りたがっているようだった。
変なところで探究心をあらわにしないでください。あと、髪に触れられるとドキドキするけど、セットが崩れるからあんまり触られるのも困ってしまいます。
その後すぐに課長は、私の髪に対する興味があっという間に薄れたようで、「まあいいか」と私から離れ、遊園地に向かうための東口に向かって歩きだす。
ちょっ、それだけ? いや、『可愛い』って言ってくれたから、それは凄く嬉しいんだけど、何ていうか――これからのデートにドキドキしているのが私だけみたい。
そう、思ったんだけど。
「渡辺、絶叫系とかは嫌い? 何か乗れなそうだよな」
私の少し前を歩きながら、課長が私にそう尋ねてくる。
「ああ、大丈夫ですよ。こう見えて平気なんです」
慌てて課長のとなりに立つと、課長は私に振り向いて、
「すげー楽しみ」
と、見たこともないような満開の笑顔でそう言った……。
か……
可愛い……。
何より、課長も今日の遊園地デートを本当に楽しみにしてくれてたんだっていうことがよく分かる表情だった。
その笑顔にホッとして、キュンとして。さっきから忙しい感情の変化が何故か嫌ではなくて、私は課長と一緒に遊園地へ向かった。
やった、褒めてもらえた!
私服がラフな分、髪をしっかりセットしてきたんだよね……といっても、やってくれたのは神くんだから私が偉そうに出来ないんだけど……。
でも、普段は肩まである髪を後ろでひとつで縛っているだけだから、編み込みしたりアイロンでカールさせたりしてきた今日の髪形が、課長にとって新鮮だと思ってくれたのなら嬉しい。
……とか何とか思っていると、課長は
「この編み込んであるとことか、どうなってんの?」
と、突然私の髪に触れてきた……。
「!!?」
この間キス寸前までいったとはいえ、それ以上のことはまだ何もないため、恋愛初心者の私は、髪に触れられることですら過敏に反応してしまう。それが気になる人――課長に触れられたのなら、尚更。
また意地悪してるのかな? 私が動揺してるの見て面白がってるのかな?
とも思ったけど、どうやら課長の表情を見ると、そういう訳ではなく、単純に純粋に私の髪の構造を知りたがっているようだった。
変なところで探究心をあらわにしないでください。あと、髪に触れられるとドキドキするけど、セットが崩れるからあんまり触られるのも困ってしまいます。
その後すぐに課長は、私の髪に対する興味があっという間に薄れたようで、「まあいいか」と私から離れ、遊園地に向かうための東口に向かって歩きだす。
ちょっ、それだけ? いや、『可愛い』って言ってくれたから、それは凄く嬉しいんだけど、何ていうか――これからのデートにドキドキしているのが私だけみたい。
そう、思ったんだけど。
「渡辺、絶叫系とかは嫌い? 何か乗れなそうだよな」
私の少し前を歩きながら、課長が私にそう尋ねてくる。
「ああ、大丈夫ですよ。こう見えて平気なんです」
慌てて課長のとなりに立つと、課長は私に振り向いて、
「すげー楽しみ」
と、見たこともないような満開の笑顔でそう言った……。
か……
可愛い……。
何より、課長も今日の遊園地デートを本当に楽しみにしてくれてたんだっていうことがよく分かる表情だった。
その笑顔にホッとして、キュンとして。さっきから忙しい感情の変化が何故か嫌ではなくて、私は課長と一緒に遊園地へ向かった。