やっぱりキミを攻略してみせます!
今は、生意気な幼馴染のヒロトくんを攻略しています。
ストーリーが開放されるたび、ヒロトくんは素直になっていって、
やがて…
「俺はお前の事好きだ、だから俺と付き合ってくれないか?」
ヒロトくんは滅多に照れ顔を見せない、レアだ…
ゲーム機の中にいる照れたヒロトくんを目に焼き付ける
もちろんはいを選択し、会話を進める
「莉央の事、ぜってえ離さないから」
甘いセリフと余裕のあるキス、チュッとリップノイズが鳴り、
相川莉央興奮状態
『ヒロトくううんん、好きだよ、結婚しよ』
ゲーム機を見つめ続け、幸せな気分に浸っていると
「あのさ、莉央気持ち悪い」
後ろから聞き覚えのある冷たい声が聞こえ、パッと振り返ると
そこには呆れ顔の絢香が立っていた
『気持ち悪いってひどくない?!』
「ひどくないし、あんたさ顔は可愛いのに、本当馬鹿だわ。」
絢香は高校に入ってできた、友達、口は悪いけど優しくて頼りがいのあるお姉さんって感じ
私の隣の席に座り、お菓子を貪る絢香
「三次元で気になる子とかいないの?」
『興味ない』
フンッと目を反らし、続きをしようとすると
「莉央」
名前を呼ばれ、振り返ると、
『痛っ!な、なにすんの!』
「夢見すぎ、バカ莉央」
私にデコピンすると、教室を去っていった
手鏡でおでこを見てみると、若干赤くなっていた。
『絢香のバカ、』
夢見すぎとか知ってるし………
『私にはヒロトくんがいるからいいもんね!』
そうだよ、正真正銘のイケメンなんて二次元にしか居ないんだから