イノセントラヴ~不実な社長と契約結婚~
「草壁さん・・・貴方とは色々と密に仕事がしたい」

「周防社長?」

草壁さんの眼鏡の奥の瞳は怪訝そうに見ていた。


「草壁さんは今何処にお住まいですか?」

「住まいは永田町です」

「へぇー」

「でも、今は事情があって飯田橋のビジネスホテルで連泊しています」

「じゃ俺の部屋に住まないか?」

ストレートに言い過ぎたか草壁さんはドン引きした目で見つめ返した。


「婚約者の方と同棲していますよね」

「今は2人じゃなく3人で暮らしてる。草壁さんの元カノ・森園さんも一緒だ」

「彼女も・・・?」

「森園さん・・・草壁さんに未練あるみたいだぞ。
草壁さんはどうなの?」


俺は興味深々に返答を待った。


「彼女とは嫌いで別れたワケではありません」

「草壁さんも未練あるのか?じゃ尚更一緒に住もう」


「一緒に住んで本当にいいんですか?婚約者との仲に水を差すような感じになりませんか?」


「居てくれた方がいい」


菜穂の嫉妬したかのような雰囲気を嬉しいとは思うが、
変な期待は持ちたくない。

草壁さんも森園さんに未練がアリアリで、俺の提案に乗った。
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