イノセントラヴ~不実な社長と契約結婚~
俺は懐石料理に箸を付けず、莉人を部屋に残して柊を追う。
車で彼を追い駆けて、行き着いた先は寂れた波止場。
箱のような倉庫が犇めきように並んでいた。
柊は佇み、闇の中で静かに煌めく光の海面の一点を見つめていた。
「莉人を一人置いて来たんですか・・・」
柊は口に煙草を咥え、遠目にぼんやりと見える眩い光で彩られた臨海の工業地帯に目を向ける。
球形のタンクや沢山の巨大な煙突が宵闇に向かって紅い火を噴いていた。
「貴方の方こそ、莉人の友人でしょ?」
「データは海に捨てましたよ。周防社長」
柊は煙草を口許から離し、紫煙を吐くと俺の方に歩み寄って来た。
「菜穂さんは貴方のコトを本気で愛していますよ。周防社長貴方のキモチは?」
「菜穂から何か訊いたのか?」
「色々と」
車で彼を追い駆けて、行き着いた先は寂れた波止場。
箱のような倉庫が犇めきように並んでいた。
柊は佇み、闇の中で静かに煌めく光の海面の一点を見つめていた。
「莉人を一人置いて来たんですか・・・」
柊は口に煙草を咥え、遠目にぼんやりと見える眩い光で彩られた臨海の工業地帯に目を向ける。
球形のタンクや沢山の巨大な煙突が宵闇に向かって紅い火を噴いていた。
「貴方の方こそ、莉人の友人でしょ?」
「データは海に捨てましたよ。周防社長」
柊は煙草を口許から離し、紫煙を吐くと俺の方に歩み寄って来た。
「菜穂さんは貴方のコトを本気で愛していますよ。周防社長貴方のキモチは?」
「菜穂から何か訊いたのか?」
「色々と」