イノセントラヴ~不実な社長と契約結婚~
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菜穂に愛してると伝えたいが、胸の奥の棘は刺さったままだった。

「新しい見合い相手だ。悠真」

莉人が俺に見合い写真を渡した。


「左京警視総監の次女・結愛さんだ。彼女は総理のSPをしている。倭人とは顔見知りだよな」

「彼女には総理共々、警護して貰っていましたから」

倭人は軽く笑って莉人の前にコーヒーを置いた。

莉人と倭人は友人だが、コイバナはしてなさそうな雰囲気。
莉人は結愛さんが倭人の元交際相手とは知らない。グイグイと見合いを押し進める。

「これは元々、俺に持って来た話だ。警察と親戚関係になって、過去の悪事を全て洗い流そうとなんて・・・マジで俺の父親はゲスだ」


久し振りに訊いた莉人の毒舌。

莉人はうんざりした様子で足を組み、コーヒーを啜った。


「俺には・・・」

「芦沢の妹とは別れないつもりか?」

「別れるつもりはない。俺は彼女と結婚したい」




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