イノセントラヴ~不実な社長と契約結婚~
《18》残酷な真実

悠真side~

倭人を連れて出社すると社長室には来亜の姿が。


「おはようございます。社長」

来亜は何食わぬ顔で挨拶をするので俺も何事もないように返した。

「では、俺はこれで・・・部屋に戻ります」

「戻らなくてもいいぞ。倭人。来亜・・・彼にお前の仕事を手伝わせてやってくれ」

「!?」

来亜の目が見開いた。

「諸事情で総理秘書官は辞めるそうだ」

「・・・承知しました」

来亜は俺の指示を黙って受け入れてくれた。


部屋に戻っても色々と考えるだけ。仕事に集中して全てを忘れた方がいいだろうと気遣い、倭人に仕事を与えた。

全てを知りながらも、俺は菜穂との結婚を望む。


彼女を幸せにするコトで父の犯した罪が償えるかもしれないと。

当主の座も財産も全てを拒否して、周防家から去ろうと考えたが、莉人のコトを考えると揺らぐ。

莉人一人に全てを押し付けるのは酷だから。

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