イノセントラヴ~不実な社長と契約結婚~
《19》最後の願い

悠真side~

倭人から連絡を受け、俺も遅れて駐車場の地下4階に降りたが、何事もなかったかようにシーンと静まりかえっていた。

俺に近づく靴音。


打ち合わせをドタキャン、連絡も取れなかった莉人が俺の前にのうのうと姿を現した。

「莉人お前・・・」

「悠真・・・左京結愛も同居していたのか?」

「ああ・・・そうだ。彼女は倭人の恋人だ」

「彼女の妊娠も知っていたのか?」

「ああ」

「彼女が流産すれば、俺は友人の子を殺すわけだな」

「お前…彼女に何をした?」

莉人は顔を両手で覆い、その場にしゃがみ込む。

赤子のように無心に泣き続ける莉人。


―――――こんな無様な莉人を見たのは初めてだ。
倭人から情緒不安定だとは訊いていたが、ヤツの追い詰めたのは俺の行動。

俺は莉人に全部背負わせようとしている。






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