イノセントラヴ~不実な社長と契約結婚~
莉人は母親の温もりを知らない。

父と二人で暮らしていた。

「天国?」

「そうだよ。俺の母さんは死んで、天国に逝ったんだ。だから、会えないんだ」

莉人は唇を噛み締めて青い空を見上げた。

莉人の瞳は何処にあるか分からない天国を探していた。

俺の母は生きている。

会おうと思えば、会える希望はあるかもしれない。でも、莉人の母は天国に逝き、永遠に会えない。

俺は莉人を糧に希望を持ち、優越感に浸った。

今、思えば俺は卑しい子供だ。


母の居ない子供同士。
莉人も俺と同じで孤独だった。
俺と莉人は孤独を紛らすように仲良く遊ぶようになったーーー・・・



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