イノセントラヴ~不実な社長と契約結婚~
「俺はお前を愛してる。事実を知っても、そのキモチは変わらなかった。
だから、自分の口から話す気などなかった。このままずっと・・・お前に隠しつもりでいた」

「私は・・・」


「お前との結婚に周防家全員が猛反対するだろう。お前は周防家の敵。
俺はお前と結婚すれば、周防家の当主にはなれない」

潰そうと思った周防家を本気で継ごうと思っている。

俺は周防家で共に生きて来た莉人を一人にしておけない。


「すまない。菜穂」


俺は菜穂に頭を下げた。


「私、パスポートを申請しました」


「えっ?」


「別れる前に最後の願いを訊いてくれますか?」


互いに見つめ合い、俺は菜穂の次の言葉を固唾を飲んで待った。




「私に香港の100万ドルの夜景を見せて下さい」


「菜…穂!?」


「…こんな別れ方は嫌です。夢ならいい夢のまま…終わりにしたいです」







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