イノセントラヴ~不実な社長と契約結婚~
「分かった。お前を香港に連れて行ってやる」


菜穂との最初で最後の旅行。


夢の場所としては相応しい場所かもしれない。


このヘリポートから眺める東京の夜景よりも香港の夜景は素敵かもしれない。


「ありがとうございます」


お前と過ごした日々は一生忘れないと思う。


愛なんて…と思っていた俺は一番愛を乞う人間だった。


「これも夢だ・・・」


俺は彼女の願いに付け込み、腕の中に抱き締めた。

彼女の手が俺の背中に回り、力がこもる。


この唇の温もりもカラダの熱も全てが夢。


ずっと覚めない夢ならいいのにとキスを交わす。



やっぱり菜穂お前とは違う形で出会いたかったーーー・・・







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