イノセントラヴ~不実な社長と契約結婚~
私達の宿泊するホテルは、香港島北部の中西区の中環地区に位置するⅠFC(国際金融中心)の一角のU字型の高層ホテル。
「凄い」
悠真さんのリザーブした部屋は海側のスイートルーム。
女性を喜ばせるツボは心得ている悠真さん。
――――このまま何も考えず彼だけを見て行けば、別れずに済むのに。
私は乱立する高層ビルと海を見つめ、ふと思った。
「菜穂…気に入ってくれたのか?」
悠真さんは、私の背後に立って抱き竦めてきた。
幾度この腕の中で抱かれたか。
「うん。ありがとう」
夢の舞台には十分過ぎる。
「キスして・・・」
私は白い肌を愛らしいピンクの薔薇のように染めながらキスをねだった。
「お前からキスをねだられたのは初めてだ」
悠真さんは虚を突かれたのか抱擁の力を緩めて、戸惑うように言った。
でも、私の耳許にかかる彼の息は熱い。
悠真さんは私のカラダを自分の方に向けてゆっくりと顔を近づけた。
キスの味は切ないぐらいに甘く情熱的。
陶然する私を離すとキャスターを開けて荷物の中身を取り出した。
―――――別れが決まってから悠真さんは私を求めなくなった。
私を抱くコトは不実だから。
「凄い」
悠真さんのリザーブした部屋は海側のスイートルーム。
女性を喜ばせるツボは心得ている悠真さん。
――――このまま何も考えず彼だけを見て行けば、別れずに済むのに。
私は乱立する高層ビルと海を見つめ、ふと思った。
「菜穂…気に入ってくれたのか?」
悠真さんは、私の背後に立って抱き竦めてきた。
幾度この腕の中で抱かれたか。
「うん。ありがとう」
夢の舞台には十分過ぎる。
「キスして・・・」
私は白い肌を愛らしいピンクの薔薇のように染めながらキスをねだった。
「お前からキスをねだられたのは初めてだ」
悠真さんは虚を突かれたのか抱擁の力を緩めて、戸惑うように言った。
でも、私の耳許にかかる彼の息は熱い。
悠真さんは私のカラダを自分の方に向けてゆっくりと顔を近づけた。
キスの味は切ないぐらいに甘く情熱的。
陶然する私を離すとキャスターを開けて荷物の中身を取り出した。
―――――別れが決まってから悠真さんは私を求めなくなった。
私を抱くコトは不実だから。