イノセントラヴ~不実な社長と契約結婚~
香港の夏は温度は25度前後ぐらいで、日本の猛暑から考えると過ごしやすいけど、湿度の高さが不快指数を上げた。


空を見上げるとすがすがしい青が澄み渡る。

大きなビルが幾つも並び、行き交う人達は外国人、私達と同じような日本人観光客の姿も垣間見える。

「私、外国に来たんですね」

「ここは日本と違います。ボーッとしていると大変な目に遭いますよ」

「その為に来亜さんが同行しているんでしょ?」

「俺を余り信用しない方がいいですよ」

「えっ?」

「冗談です」
来亜さんは真顔で冗談の言う人だった。


ギネスに載ったと言う『ヒルサイドエレベーター』の入口に到着した。


韓国ドラマや映画のロケ場所で有名な場所。


私はスマホで入口を撮影する。


「そこは邪魔になりますよ」

来亜さんが私の腕を掴み、自分の方に引き寄せる。
「ゴメンなさい。ありがとう」

私達はエレベーターを上がって、国際美食エリアのソーホーを目指す。
< 181 / 235 >

この作品をシェア

pagetop