イノセントラヴ~不実な社長と契約結婚~
ソーホーはヨーロッパの街並みをイメージした街。
香港がかってイギリスの植民地だったコトを思い起こさせる。

有名レストラン、お洒落な雑貨屋さん。


何度も足を止めてはウィンドショッピングを繰り返す。

その度に来亜は軽く溜息を吐いた。

「退屈ですか?」

「別に」

来亜さんと喋るとテンションも下降する。

悠真さんと二人で歩けばもっと楽しい時間過ごせると思うのに。

「少し休憩しましょう」

「いいですけど」

来亜さんの提案に乗り、ギャラリーが併設されたカフェで休憩。
アンティーク調のスチール椅子に腰を下ろし、壁に飾られた無名のアーティストの絵画を見つめながらコーヒーを飲む。
ソーホーは若い香港のデザイナー達の服やバック、雑貨などのデザインを手がけたオリジナルブランドショップも多く、今は無名でも有名になる可能性を孕む夢のある街だった。



「悠真さんと夕食は一緒に食べられるのかな?」

「何も訊いてないんですか?」

「はい」

「今夜は莉人様達と懇親会だと訊いてます」

「そうなんだ・・・」

私は残念に思った。香港の滞在期間は1週間あるし、1日目は仕方がないと諦めた。




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