イノセントラヴ~不実な社長と契約結婚~

悠真side~

俺の心は揺れていた。

俺は酒で全てを紛らして、倭人の肩を借りながら部屋の中に入った。


「大丈夫ですか?」

リビングのソファに深く座り込み、項垂れる俺に倭人がルームサービスで、ミネラルウォーターをオーダーしてくれた。

「これ飲んで、酔いを醒ましてください」

「ありがとう。倭人」

二人で香港の100万ドルの夜景を眺めれば、菜穂の最後の願いは叶い、俺達の関係は終わる。


俺はそれが怖くて、菜穂が眠るのを待って部屋に戻った。


倭人から受け取ったミネラルウォーターを喉に流して酔いを醒ます。


「初めての旅行なのに。二人して何だか他所他所しいですね」

「お前はいいさ。総理を使って結愛さんと上手くいったんだからな」
俺は倭人に八つ当たりしていた。


「俺は別に…総理を利用したつもりはありませんよ」

倭人はキッパリと否定するとカーテンを開けて夜景を目を向けた。

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