イノセントラヴ~不実な社長と契約結婚~
「この結婚は会長の勧める見合いを回避する為に契約結婚なんです。芦沢さん」

「契約結婚?」

「あの…デザートを・・・」

部屋の出入り口では、デザートとコーヒーをトレイで運んで来たウェイターが困惑した表情で立っていた。

「詳しい話はデザートの後にしましょう」

秘書さんはウェイターを招き入れ、自分は退散してしまった。

デザートは苺のミルフィーユ。

「契約結婚って何ですか?」

「雇用契約みたいもんだ。俺が雇い主で、お前が従業員。お前は雇い主である俺の言う通り妻を演じてくれたらいいだけだ。簡単だろ?」

「・・・」

「結婚と言う以上はその…夫婦生活もアリですか?」

「…お前がいいなら、別に俺はいいけど・・・」

「・・・」

「それはダメです」


「じゃナシでいい。別にオンナには困ってないからな」

「紗江さんも含まれているんですか?」

「彼女は論外。紗江は嫉妬深いオンナだから」




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