イノセントラヴ~不実な社長と契約結婚~
私は一人の男性の持っていた白い布を口に押し当てられた。

ドラマの拉致現場でもよくある睡眠導入剤・クロロホルム。

私のカラダから力が抜け、そのまま眠りに誘われてしまった。


――――――気が付けば暗い部屋に閉じ込められていた。


打ちっ放しコンクリートの床と壁。

天井は低く、明かりは小さな裸電球だけで、奥には荷物が積み上がっていた。階段の向うには鉄製の扉が見える。何処かの地下室の倉庫だろうか。

「倭人さん・・・」

私は倒れ込み気を失っていた倭人さんのカラダを揺する。


「起きて下さい!」

「んっ?・・・」


倭人さんは瞳を開けて怪我をした額を押さえて起き上がった。


「ここは・・・どこ?」


「わ、私にも分かりません・・・」

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