イノセントラヴ~不実な社長と契約結婚~
私は緊張しながらエレベーターに乗り込んだ。
私の名前は芦沢菜穂(アシザワナホ)
シアトルから日本初上陸したコーヒー専門店『ヘンリーズコーヒー』で働いていた。
目指すフロアは42階、1泊200万のスイートルーム。
「失礼します」
部屋のドアをノックすると出て来たのは秘書の人。
毛先にワックスを付けたマッシュヘアスタイルに明るめのダークブラウンの髪色。
顔は小顔で私と年も近そうだった。
もう一人の冷たそうな秘書ではなく内心ホッとした。
「どうぞ」
彼は唇の両端に靨を作り、愛想良く私を招き入れてくれた。
私から見ても内装は他の部屋とは違って豪華で、飾られた調度品も一流品だった。
黒の革張りのソファには周防社長と取引先の相手と思われる金髪で青い目の外国人が向かい合わせに座って居た。
相手の外国人は硬い表情でテーブルの書類の一点を見つめるだけ。商談は煮詰まっているようだった。
「社長、少し一息いれたらどうですか?」
「ん、あ・・・そうだな」
秘書の一声で、背中を向けていた周防社長が私の方を振り返る。
私の名前は芦沢菜穂(アシザワナホ)
シアトルから日本初上陸したコーヒー専門店『ヘンリーズコーヒー』で働いていた。
目指すフロアは42階、1泊200万のスイートルーム。
「失礼します」
部屋のドアをノックすると出て来たのは秘書の人。
毛先にワックスを付けたマッシュヘアスタイルに明るめのダークブラウンの髪色。
顔は小顔で私と年も近そうだった。
もう一人の冷たそうな秘書ではなく内心ホッとした。
「どうぞ」
彼は唇の両端に靨を作り、愛想良く私を招き入れてくれた。
私から見ても内装は他の部屋とは違って豪華で、飾られた調度品も一流品だった。
黒の革張りのソファには周防社長と取引先の相手と思われる金髪で青い目の外国人が向かい合わせに座って居た。
相手の外国人は硬い表情でテーブルの書類の一点を見つめるだけ。商談は煮詰まっているようだった。
「社長、少し一息いれたらどうですか?」
「ん、あ・・・そうだな」
秘書の一声で、背中を向けていた周防社長が私の方を振り返る。