イノセントラヴ~不実な社長と契約結婚~
扉が開いたと思えば、見張り役の屈強な男性が階段の上から勢いよく転げ落ちて来た。


何が起こったのか…分からず唖然と転落して気を失う男性を傍観する。


「助けに来たぞ!!」


階段を下りて来たのは日本に居るはずの左京警視。

「柊は無事か?」

「銃で撃たれ、負傷している。一刻も早く病院に運ばないと」

「生きててくれてよかったよ」


左京警視は負傷した倭人さんのカラダを起こし、肩を貸した。


「歩けるか?」

「何とか」


「・・・結愛に胸騒ぎがするとか言われて・・・結愛に頼まれて、お前らの後を追って香港に来た。案の定、ヤバいコトになってるのを知って…香港警察に協力を貰って…来たんだよ」


地下室を出ると1階はカウンターとビリヤード台のあるバーになっていた。


バーには警官が出入りし、男性達を連行していた。


「私達、助かったんだ・・・」

私は生死のかかった緊迫した状況から解放され、安心感からか…瞳からは大粒の涙が溢れる。


「怖い目に遭わせて悪かった・・・菜穂」

悠真さんが私の涙を拭い、抱き締めてくれた。


「ラブシーンはいいから…さっさと出ろっ」
左京警視に水を差されてしまった。

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