イノセントラヴ~不実な社長と契約結婚~
愛故か・・・


俺にはその愛がなかったけど。


「芦沢さんが過去を拘らず、お前との結婚を受け入れるなら私は反対しない。反対する者はこの私が説得しよう」


「ありがとう。次郎叔父さん」


こんな風に腹を割り、次郎叔父さんと話をしたのは初めてだ。


俺は自分自身で周防家の人間とは関わらないように壁を作っていたかも。


俺はいつから変わったんだろう。


次郎叔父さんが出ていくと入れ違いに菜穂が戻って来た。


「菜穂」

「何ですか?悠真さん」


「お前の願い…まだ叶えてなかったな」

「私の願い?」


「一緒にホテルの窓から香港の100万ドルの夜景を眺めるコトだよ」


お前の最後の願いかもしれないが、俺にとっては新しい人生のはじまりかもしれない。


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