イノセントラヴ~不実な社長と契約結婚~
「大体、俺はアイツに金で・・・」


「理由はご存知のはず。大手を振って、貴方を周防家に引き渡しワケではないんですよ!」


悠真さんが周防家に引き取られた後、悠子さんは何度か周防家を訪問し、悠真さんとの面会をお願いしたが、本妻がそれを許さなかった。


本妻が亡くなられた頃には既に悠真様は成人し、母が恋しいと泣く幼子ではなくなっていた。


涙も枯れ果てて、母に対する恨みしか残らなかったのだ。


「今更会って何を話せと言うんだ?」


「話さなくてもいいから…会ってあげてください。悠真さん」

「そうです」

悠真さんは私と来亜さんに責められ、渋面で返した。


「分かった。面会時間は5分だ。それ以上はダメだ」


「5分って・・・香港まで何時間かかると思ってるの?悠真さん」


「うるせぇよ」


私よりも一回り上のクセに今の悠真さんは駄々っ子で手に負えない。




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