イノセントラヴ~不実な社長と契約結婚~
でも、俺の胸の中は彼女の愛しさで溢れ、一人では抱えきれない。


「日本に帰れば、私達はお別れですね・・・」

菜穂の言葉に瞳が霞んだ。


「悠真…さん?」


「俺は菜穂と離れたくない」

俺は勢いよく菜穂を腕の中で抱き締めた。


「悠真さん・・・」


俺の腕の中で菜穂は泣きじゃくる。


「私も離れたくない」と。



夜空の星を全部落とし、散りばめたような無数の光が俺達を照らす。


「俺と結婚して欲しい・・・菜穂」


「悠真さん…私・・・」
背徳的だと思っても、溢れる愛しさに押し寄せる感情に逆らえない。

「背徳的でも、俺はお前を愛してる。お前にとって俺は父親の敵かもしれないけど。俺はお前を愛してる」

俺は菜穂に何度も愛を囁く。


「私も貴方を愛しています・・・」


菜穂は俺のプロポーズを受け入れてくれた・・・


100万ドルの夜景はもはや俺達の瞳には映らなかった。

俺達の瞳には互いの顔しか見えていない。






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