イノセントラヴ~不実な社長と契約結婚~
《エピローグ》未来だけを見つめて

菜穂side~

帰国後、悠真さんはセーブしながらも仕事に復帰した。


私達が最初に会ったのは別人として暮らすお兄ちゃん。
悠真さんと二人で、部屋を訊ねた。

「多賀さんがお兄ちゃん?」

「そうだよ。菜穂」

顔が違えど、声は昔と変わらない。

「ゴメンなさいね。菜穂」

お兄ちゃんの隣に居るのは、突然失踪した亜由子さん。
亜由子さんは私にナイショでお兄ちゃんの情報屋の仕事を手伝っていたと説明した。

情報屋の仕事を手伝う仲間の一人が裏切り、お兄ちゃんから機密を盗み出す為に、殺そうとした。

お兄ちゃん、命は助かったけど、一切の記憶を失ってしまった。


そんなお兄ちゃんをケアした亜由子さん。そんな二人は愛し合い、結婚をし、赤ちゃんが生まれた。名前は万穂(マホ)ちゃん。


万穂ちゃんは奥のベビーベットでお昼寝中。


「ゴメンなさい。突然、部屋を出て行ってしまって・・・
でも、無関係の菜穂を巻き込みたくなかったのよ」


「亜由子さん・・・もう一度会えて、嬉しいわ。
お兄ちゃんをよろしくお願いします」


「うん」

「周防社長、菜穂をよろしくお願いします」


「菜穂を幸せにすると誓うよ」


悠真さんは私を見つめ、お兄ちゃんに約束した。








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