イノセントラヴ~不実な社長と契約結婚~
「奥さんの亜由子さんも同じ施設育ちだったのか・・・」

「はい。私にとって亜由子さんは姉のような存在でした」

「ふうん」


帰り際の車中で悠真さんに亜由子さんとの関係を話した。


「お前は突然失踪されて、部屋から追い出され、ネットカフェ暮らしになったと言うのに。嫌味の一つ位言ってやった方が良かったんじゃないのか?」


「恨みを買うようなコトは言えません」


「そうだな。菜穂はいいヤツだからな。俺が一番よく知っている」


悠真さんは優しく頭を撫でる。


「俺もお前と居れば、優しくなれる」


「悠真さん・・・」


悠真さんの顔が私の顔を塞ぐ。私達はキスを交わした。


運転する来亜さんには見えないけど、きっと彼は呆れている。
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