イノセントラヴ~不実な社長と契約結婚~
俺と菜穂は皆から祝福され、パーティを終えた。
「どこに行くんですか?」
俺と菜穂は階段を上がり、ヘリポートへと向かう。
「俺が莉人と見ていた光景をお前に見せてやる」
「莉人さんと見た光景?」
「ああ」
俺と菜穂はヘリポートを歩く。赤い光が点滅を繰り返す中、俺達は真ん中で佇み、同じ光景を見る。
眼窩に広がる夜景。
「この景色をいつも、莉人さんと一緒に眺めていたんですか?」
「ああ」
「香港の100万ドル夜景には負けるけどな」
俺の上着の裾が夜風に舞う。
「でも、素敵です」
俺の隣で菜穂が微笑む。
俺達はようやくこの時を迎えた。
俺は菜穂と未来だけを見つめて同じ岐路を歩く。
END