イノセントラヴ~不実な社長と契約結婚~
《5》家庭の味
菜穂side~
炊事洗濯と吹雪さんの指導の元こなしていき、時刻は正午となった。
昼食はレンジで温めたレトルトカレー。
「社長夫人となる女性にレトルトカレーはいけなかったかな?」
「別に・・・」
バイトの賄いがなければ、昼食抜きで過ごしていた私。
「こうして食事が出来るだけで私には贅沢なコトです」
「もしかして…昼食は食べてなかった?」
「バイトが無い時は節約で、昼食は抜いてましたから」
「そうなんだ・・・君の兄貴は荒稼ぎしてたのに、妹には援助しなかったんだ」
「いいえ、兄は私達に凄く援助してくれました」
「私達?」
私の言葉に吹雪さんは神妙な表情に浮かべる。
「芦沢さんには他に弟とか居るの?」
「いいえ、私と兄は母が亡くなった後は施設で育ったんです。施設で共に育った子は私にとって兄弟同然です。兄も私と同じ思い、自分を育ててくれた施設に恩返ししようと沢山のお金を援助していました」
「芦沢さんは菜穂様に仕事の話はしていた?」
「あ…兄は大手のIT企業でプログラマーをしていると説明してくれました」
「ふうん」
吹雪さんはそう言うと皿に残っていたカレーライスを一気にスプーンで口にかき込んだ。
昼食はレンジで温めたレトルトカレー。
「社長夫人となる女性にレトルトカレーはいけなかったかな?」
「別に・・・」
バイトの賄いがなければ、昼食抜きで過ごしていた私。
「こうして食事が出来るだけで私には贅沢なコトです」
「もしかして…昼食は食べてなかった?」
「バイトが無い時は節約で、昼食は抜いてましたから」
「そうなんだ・・・君の兄貴は荒稼ぎしてたのに、妹には援助しなかったんだ」
「いいえ、兄は私達に凄く援助してくれました」
「私達?」
私の言葉に吹雪さんは神妙な表情に浮かべる。
「芦沢さんには他に弟とか居るの?」
「いいえ、私と兄は母が亡くなった後は施設で育ったんです。施設で共に育った子は私にとって兄弟同然です。兄も私と同じ思い、自分を育ててくれた施設に恩返ししようと沢山のお金を援助していました」
「芦沢さんは菜穂様に仕事の話はしていた?」
「あ…兄は大手のIT企業でプログラマーをしていると説明してくれました」
「ふうん」
吹雪さんはそう言うと皿に残っていたカレーライスを一気にスプーンで口にかき込んだ。