イノセントラヴ~不実な社長と契約結婚~
骨董通りを右折して、青山通りへと入っていく。


「もしかして、日本の最古の高級スーパー『花国屋』に入るんですか?」

「そうだけど」

「さすがはセレブ。買い物するスーパーも庶民とは違いますね」

「悠真様は食にこだわらない人だから、別に激安スーパーでも構わないと思うけど。兄貴が食にうるさくてね」

「来亜さんは拘る人なんですか・・・」

「そうなんだ」

外見からして眉間にシワを寄せ、神経質そうな印象だった来亜さん。

吹雪さんは笑うと靨が出て可愛い人。

「吹雪さんは父親である田中さんに似てますね」

「それは良く言われる。着いたよ」


『花国屋』と提携する立体駐車場に車を停車させ、外に出た。


麗らかな春の陽気が眠気を誘い、思わず欠伸をしてしまった。


「眠い?」

「いえ」



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