イノセントラヴ~不実な社長と契約結婚~
「芦沢菜穂と言えば、分かりますか?」
俺は後ろに振り返り、来亜と視線を合わせた。
俺の困った表情を見て、少しだけ両端の口角を上げた。
「原店長に訊けば、芦沢さんは周防社長の商談を破談にして、会社に大きな損失を与えたと言いました」
俺は笑う来亜を睨み、再び岩佐さんに目を向けた。
「そうだ。菜穂は3億の商談をパーにしたんだ」
「3億ですか…分かりました。この私が芦沢さんに代わってその3億お支払い致します」
「えっ?」
後ろを振り返ると俺と同じで来亜も瞳をパチクリさせていた。
全く赤の他人の岩佐さんが菜穂の借金を肩代わりする。
それも3億・・・
「3億ですよ」
「2,3日お待ちいただければ、キャッシュでお支払い致しますよ。周防社長」
「岩佐さんと菜穂は全くの赤の他人でしょ?岩佐さんは何を思って菜穂の3億を払うんですか?」
「私にとって彼女は活力源なのです!朝一番に『ヘンリーズコーヒー』に足を運び、彼女から淹れたてのコーヒーと笑顔を貰うのが私の唯一の楽しみだったと言うのに」
俺は後ろに振り返り、来亜と視線を合わせた。
俺の困った表情を見て、少しだけ両端の口角を上げた。
「原店長に訊けば、芦沢さんは周防社長の商談を破談にして、会社に大きな損失を与えたと言いました」
俺は笑う来亜を睨み、再び岩佐さんに目を向けた。
「そうだ。菜穂は3億の商談をパーにしたんだ」
「3億ですか…分かりました。この私が芦沢さんに代わってその3億お支払い致します」
「えっ?」
後ろを振り返ると俺と同じで来亜も瞳をパチクリさせていた。
全く赤の他人の岩佐さんが菜穂の借金を肩代わりする。
それも3億・・・
「3億ですよ」
「2,3日お待ちいただければ、キャッシュでお支払い致しますよ。周防社長」
「岩佐さんと菜穂は全くの赤の他人でしょ?岩佐さんは何を思って菜穂の3億を払うんですか?」
「私にとって彼女は活力源なのです!朝一番に『ヘンリーズコーヒー』に足を運び、彼女から淹れたてのコーヒーと笑顔を貰うのが私の唯一の楽しみだったと言うのに」