イノセントラヴ~不実な社長と契約結婚~
「3億を盾に彼女の人生を・・・」


「3億なんて大金、菜穂自身では到底返済出来る額じゃない。俺の妻になればチャラしてやると言えば、即座に結婚okしたよ」

「・・・芦沢さんの兄はこの界隈の裏世界では有名な情報屋」
岩佐さんのビジネスの影にも芦沢の姿があったーーー・・・




「岩佐さんも芦沢のご用達だったのか」

「芦沢から得る情報量は俺の仕事に大いに役に立っていた。彼の死は大きな痛手だった。
貴方のやり方は汚いと思いますが、貴方の事情を考えると仕方のないコト」

岩佐さんの全てお見通しのような言動に戸惑いを隠せない。


「芦沢が最後に請け負った仕事は貴方の仕事でしょ?
芦沢の死に何か関係あるんでしょ?」


「何が言いたいんですか?岩佐さん」

「何も・・・私の癒しを奪った貴方の仕事は受けない。以上。さてと次のクライアント先に急がないと」


岩佐さんは腰を上げて、ビジネスバックを右手に持って足早にドアの方向に歩いて行く。
ふと立ち止まって俺の方を見つめた。

「岩佐さん・・・」

「私と芦沢との付き合いは貴方よりも長いと思います。
芦沢は学歴こそなかったが、頭脳は抜群だった。私達エリートに寄生し、犯罪スレスレのやり方で情報を盗み出し、報酬を得ていた芦沢。
そんな芦沢が大切にしていたのはたった一人の妹だ。彼女を愛してるなら、真実は一生隠し続けるコトをおススメします」






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