イノセントラヴ~不実な社長と契約結婚~
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『芦沢さん、君はクビだ!!』
このビルのオーナーである周防社長に3億の損失を与えた私はアルバイトをクビになった。
夕闇の中を途方に暮れながら駅まで歩く。足取りは重く、瞼の裏が妙に熱い。
瞳からは今にも涙が溢れ出しそうだった。でも、金ナシ、家ナシ、家族ナシの天涯孤独の私には泣いている暇はない。
「!?」
急に私の前に一台の黒塗りのベンツは停車した。
私に向かって後部座席のドアが開く。
後部座席には周防社長は足を組んで、深く座っていた。
「お前に話がある。乗れっ。芦沢菜穂」
私は周防社長に命じられるまま彼の隣に座った。
私を乗せるとドアは閉まり、急発進する。
「お前をクビにしろと言ったのはこの俺だ。お前はこの俺に3億の損失を与えた。責任を取るのは当然だ」
彼の言う通りで、私には弁解の余地はない。
「私は責任を取りました。周防社長は私に何の用があるんですか?」
「クビにしただけでは俺の気が晴れない」
『芦沢さん、君はクビだ!!』
このビルのオーナーである周防社長に3億の損失を与えた私はアルバイトをクビになった。
夕闇の中を途方に暮れながら駅まで歩く。足取りは重く、瞼の裏が妙に熱い。
瞳からは今にも涙が溢れ出しそうだった。でも、金ナシ、家ナシ、家族ナシの天涯孤独の私には泣いている暇はない。
「!?」
急に私の前に一台の黒塗りのベンツは停車した。
私に向かって後部座席のドアが開く。
後部座席には周防社長は足を組んで、深く座っていた。
「お前に話がある。乗れっ。芦沢菜穂」
私は周防社長に命じられるまま彼の隣に座った。
私を乗せるとドアは閉まり、急発進する。
「お前をクビにしろと言ったのはこの俺だ。お前はこの俺に3億の損失を与えた。責任を取るのは当然だ」
彼の言う通りで、私には弁解の余地はない。
「私は責任を取りました。周防社長は私に何の用があるんですか?」
「クビにしただけでは俺の気が晴れない」