イノセントラヴ~不実な社長と契約結婚~
ダイニングテーブルに並ぶのは筍づくしの夕食。

「今夜のメインは筍?」


「デザートはマスクメロンの最高峰『静岡クラウンメロン』だよ。兄貴」

「メロン?メロンなんてどうでもいい」

「私の筍料理、お気に召しませんか?来亜」

「べ、別に・・・」
来亜は参ったようにこめかみをポリポリと掻き、黙った。


「腹減ったし、食おう」


悠真さんは一人で椅子に腰を下ろし、ネクタイを緩める。


「ビール飲みますか?」


「あ、頼む」


私はキッチンに慌てて駆け込み、冷蔵庫から冷えた缶ビールを出した。


「菜穂、来亜と吹雪のビールも頼む」

悠真さんは冷蔵庫の前に居た私に大声で叫んだ。


「分かりました」


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