イノセントラヴ~不実な社長と契約結婚~
私は部屋着に着替え、髪を軽くタオルで拭きながらリビングに行った。
「大丈夫ですか?」
リビングのソファに腰を下ろし、来亜さんが悠真さんの額に絆創膏を貼っていた。
「来亜お前のせいだ・・・」
「いったい、どう言うコトですか?悠真さん」
私は彼の目の前に座り、厳しい口調で問い質す。
「お前のいつも身に着けていたロケットペンダントを探していた」
「どうして?」
「そのペンダントは確か、芦沢からのプレゼントだろ?」
「そうですけど・・・」
「その中に会社の機密がSDカードで隠されているかもしれないんだ」
男性にしては綺麗な肌の持ち主の悠真さん。額の絆創膏がとっても目立って見えた。
「脱衣所にはなかったが、ペンダントは何処だ?」
悠真さんの黒い瞳が訝しげに私の首許を見る。
「…部屋にあります」
悠真さんの言葉通り、ロケットペンダントの中に兄が私に託した機密が隠されているなら、今夜で悠真さんとはお別れた。