イノセントラヴ~不実な社長と契約結婚~
「兄としては社長の妻となる女性を奪おうとしている弟を見過ごすワケにはいきません・・・
これ、差し上げますから。彼女の望むコトを実現してあげて下さい」
来亜はデスクに漫画の単行本を1冊置いた。
「これは何だ?」
「彼女の荷物の中にあった漫画です。拝見したところ、オフィスを舞台にした恋愛漫画です。参考にして下さい」
俺は黙って受け取り、パラパラと漫画のページを見た。
「社長の手にかかれば、菜穂様なんて直ぐに落ちますよ」
「芦沢のコトを考えるとそれは・・・非常に罪の意識に苛まれるのだが・・・」
「じゃ吹雪と菜穂様が上手くいってもいいんですか?今だって、二人はずっと共に居るのですから」
「分かった。お前は少し出て行けっ」
俺を煽る来亜を追い出して、一人でじっくりと考えた。
考えても、答えは導き出せず、椅子から立ち上がって全面硝子からジッと眼窩を見下ろした。
これ、差し上げますから。彼女の望むコトを実現してあげて下さい」
来亜はデスクに漫画の単行本を1冊置いた。
「これは何だ?」
「彼女の荷物の中にあった漫画です。拝見したところ、オフィスを舞台にした恋愛漫画です。参考にして下さい」
俺は黙って受け取り、パラパラと漫画のページを見た。
「社長の手にかかれば、菜穂様なんて直ぐに落ちますよ」
「芦沢のコトを考えるとそれは・・・非常に罪の意識に苛まれるのだが・・・」
「じゃ吹雪と菜穂様が上手くいってもいいんですか?今だって、二人はずっと共に居るのですから」
「分かった。お前は少し出て行けっ」
俺を煽る来亜を追い出して、一人でじっくりと考えた。
考えても、答えは導き出せず、椅子から立ち上がって全面硝子からジッと眼窩を見下ろした。