イノセントラヴ~不実な社長と契約結婚~
俺がスーツに着て、再び寝室に戻ってくると眠っていた菜穂が目を開けていた。


「すまない。時間だ」

俺はベットの脇に浅く腰を下ろし、眠気の覚めていない菜穂に話しかけた。


「会食ですか?」


「まあな」

菜穂は慌てた様子でカラダを起こす。

「いい眺めだ」

俺の不埒な言葉でハッとして、両腕で胸を隠した。


「今は痛くて出来ません」


「やっぱり…痛かったか…優しくシたつもりだったんだけどな」


「・・・」

「今度はもっと優しくする」


俺は自分の欲情を隠さず、菜穂に迫る。


「吹雪に迎えに越させるから…早く服着とけよ。俺は先に出る」


俺は菜穂の頬にチュッとキスをして、スイートルームを出た。


ヤリたいキモチを抑え込み、オフィスに戻る。

着飾った彼女を見て、別人を見ているようなキモチになった。いいオンナだった。俺の心臓は、ウザいぐらいドキドキして、目が離せなかった。

菜穂はダイヤの原石なのかもしれない。

誰の手にも渡したくないーーー・・・

一人の女を独り占めにしたいと思うのは初めてだ。菜穂を思うと胸が熱くなる。


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