イノセントラヴ~不実な社長と契約結婚~
悠真さんは私を何の為にパーティに参加させたのか彼の真意が分からなかった。


一人で行動するなら私なんて不要じゃない。


「どこの業界の方ですか?」

硝子に岩佐さんと居た草壁さんの顔が映った。


「貴方は岩佐さんと居た草壁さん・・・」

「あ…キミはあの時…周防社長と一緒に居た女性・・・」

「芦沢菜穂と言います」

「芦沢さんですか・・・」

彼の右手には飲みかけの琥珀色のスパークリングワイン。


彼は夜景に背を向けて、硝子に凭れかかった。

悠真さんと同じぐらいの背丈に怜悧なルックス。


「草壁さんは岩佐さんの大学の後輩なんですよね」

「はい、岩佐さんとは同じゼミで、実は同じ会社に勤めたコトもあり・・・岩佐さんとは腐れ縁で」

見た目はクールで口数の少なそうなタイプかと思いきや、草壁さんは意外とおしゃべりな人だった。

私の持っていた岩佐さんのイメージをぶち壊すような話題を次々に暴露してくれた。

「あの・・・草壁さん酔ってます?」

「素面ですよ」

草壁さんは真顔で返した。

「ウーロン茶なくなりましたね。ドリンク持ってきましょうか?」


「いえ」

「ではスイーツを」

草壁さんは私の為にスイーツを取りに行ってくれた。






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