イノセントラヴ~不実な社長と契約結婚~
「お一人ですか?」
一人でポツンと居ると目立つのかまた知らない男性に話しかけられしまった。
でも、声は兄にそっくりで、瞳を閉じて訊いていると勘違いしちゃそう激似。
思わず『お兄ちゃん?』と見ず知らずの男性に訊いてしまった。
「俺…一人っ子なんだけど…。可愛い女性にお兄ちゃんと呼ばれると悪い気はしないな」
ベージュのスーツに何処にでも居る普通の顔立ちをした男性であるが、人の良さそうなタイプだった。
「俺は多賀浩介」
お兄ちゃんと同じ名前に興味が湧き上がった。
「私は・・・」
「君は周防社長の婚約者の芦沢菜穂さんだよね」
私が自己紹介しようとするとすぐさま遮った。
「知っていたんですか・・・」
「俺はこのビルのIT会社『グランドシステム』の営業マンだ」
「『グランドシステム』の方ですか・・・」
「今度は多賀さんか・・・」
再び、悠真さんが現れ、私と多賀さんの間に割り込んだ。
「口説いてるワケじゃないですから。彼女は周防社長の婚約者でしょ?」
「そうだ」
多賀さんは突然、喧騒のラウンジ内で大声を上げた。
「主催者の周防社長から皆にご報告があります!!皆黙って、周防社長に注目致しましょう!!」
水を打ったようにしーんと静まりかえった。
悠真さんは私を一瞥すると咳払いして、話を始めた。
「私事では御座いますが、この度隣に居る彼女と婚約しました」
多賀さんに盛り上げようの盛大な拍手を起こす。彼の拍手に続き、周囲の皆も大きな拍手をした。
上辺だけの祝福かもしれないが、私は嬉しくて瞼の奥が熱くなり、涙が溢れる。
一人でポツンと居ると目立つのかまた知らない男性に話しかけられしまった。
でも、声は兄にそっくりで、瞳を閉じて訊いていると勘違いしちゃそう激似。
思わず『お兄ちゃん?』と見ず知らずの男性に訊いてしまった。
「俺…一人っ子なんだけど…。可愛い女性にお兄ちゃんと呼ばれると悪い気はしないな」
ベージュのスーツに何処にでも居る普通の顔立ちをした男性であるが、人の良さそうなタイプだった。
「俺は多賀浩介」
お兄ちゃんと同じ名前に興味が湧き上がった。
「私は・・・」
「君は周防社長の婚約者の芦沢菜穂さんだよね」
私が自己紹介しようとするとすぐさま遮った。
「知っていたんですか・・・」
「俺はこのビルのIT会社『グランドシステム』の営業マンだ」
「『グランドシステム』の方ですか・・・」
「今度は多賀さんか・・・」
再び、悠真さんが現れ、私と多賀さんの間に割り込んだ。
「口説いてるワケじゃないですから。彼女は周防社長の婚約者でしょ?」
「そうだ」
多賀さんは突然、喧騒のラウンジ内で大声を上げた。
「主催者の周防社長から皆にご報告があります!!皆黙って、周防社長に注目致しましょう!!」
水を打ったようにしーんと静まりかえった。
悠真さんは私を一瞥すると咳払いして、話を始めた。
「私事では御座いますが、この度隣に居る彼女と婚約しました」
多賀さんに盛り上げようの盛大な拍手を起こす。彼の拍手に続き、周囲の皆も大きな拍手をした。
上辺だけの祝福かもしれないが、私は嬉しくて瞼の奥が熱くなり、涙が溢れる。