イノセントラヴ~不実な社長と契約結婚~
俺と草壁さんが真剣な話をしていると、ノックなしにドアが開いた。


「社長は今、来客中で・・・」
女子社員の制止を訊かず、ツカツカとヒールの踵をかき鳴らして一人の女性が無断で入って来た。


「…結愛(ユイア)・・・」

黒髪のミディアムボブの髪を掻き上げて、俺達を見ていた。

「草壁さんのお知り合いですか?」

「まぁ・・・」
草壁さんは眼鏡を弄りながら返した。
黒のスーツに身を包み、膝上丈のタイトから伸びる足は細く、長い。モデルようなスタイルにハッとした。

「初めまして・・・総合セキュリティ会社『シークレットサービス』から派遣されました。森園結愛と申します」

「えっ!?」


俺が依頼したセキュリティ会社のボディガードだった。


「あ…キミが『シークレットサービス』から来たボディガードか・・・」


俺は立ち上がって森園さんに挨拶した。


「で、私の護衛すべき相手は・・・?」


「此処には居ないんだけど…少し外で待ってくれ」


「私のコトは気にしないで下さい。ここで待たせて頂きます」

彼女は草壁さんの隣に座って、足を組み、スマホを弄り始める。

彼女の行動に俺達3人は唖然とした。

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