イノセントラヴ~不実な社長と契約結婚~
「社長、コピー出来ましたけど」

「ありがとう。来亜」

俺は来亜からコピーした資料を受け取って草壁さんに渡した。

「ありがとうございます」

「それよりも、隣の森園さんとはどんな関係?」

「私達元は恋人同士です。今は全然関係ありません。赤の他人です。周防社長」

草壁さんが答える前に森園さんが答えてくれた。

「来亜、森園さんにもコーヒーを」

「承知しました」

来亜は給湯室へと急いだ。


『王龍社』とマフィアの蜜月関係が気になるが、それ以上に目の前の二人のコトが気になった。


「結愛、仕事はどうした?」


「休暇届を出して、何を調べているんですか?仕事、辞めるって言ってなかった?」

「この仕事が終れば、正式に辞めるつもりだ」

二人はワケの分からない会話を交わし、腹の探り合うをしていた。

「あの・・・森園さん」

「資料は受け取りましたし、私はこれで失礼します。周防社長」

「あ…そうだな。頼んだよ。草壁さん」

「話終わってないわよ。逃げるの?」

「逃げるワケじゃない」

草壁さんは慌てて資料をブリーフケースに詰め込み、出て行った。

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