イノセントラヴ~不実な社長と契約結婚~
「コーヒーをどうぞ」

「ありがとう」

森園さんは妖艶な笑みを浮かべて来亜に礼を言った。
いつものクールな来亜も彼女のお色気に頬を染めた。

「私の護衛相手は確か…周防社長の・・・」

「婚約者だ」

「周防社長の自宅で同棲中でしたね・・・希望は24時間警護」

「はい」

「社長、まさか彼女を部屋に住まわせるつもりですか?」

「24時間だから…自然とそうなるな・・・」

「秘書さん・・・私、人の男に手は出しませんから…安心してください」

森園さんは小首を傾げ、不安がる来亜を窘めた。

「・・・いつまでも、吹雪と二人にはしておけない」

「吹雪が入る隙間なんてないはず」

「ないけど・・・」

俺達の間に愛は存在していない。菜穂を何度抱いても、重なるのは肌だけで。

菜穂のカラダは俺のモノでも、心は俺のモノじゃない。


俺の居ない間に、吹雪が菜穂の心を奪ってしまったらと考えると堪らなく不安で、胸が苦しくなる。


彼女がコーヒーを飲み終えるのを待ち、一度部屋に戻った。




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