ドリーミィ✡ マジカリア
「さぁ、苺花お姉さん。堅苦しい挨拶はやめにして。少しばかりノア達の話を聞いてくれない?」


「ノア!!」


マリア先輩が血相を変えてノアを怒鳴った。


「だからさー、マリアお姉さんてば何か頑張っちゃってるみたいけど、それ、全部無駄何だってば。本当は分かってるんでしょ?」



「……でもっ!!」



「もー、粘るなぁ。しつこい!…あー、もう、はいはい。分かったよ。しょうがないなあ」



さっきからずっと私の関係の無い所で話が進んでいる。


いきなり現れて、何の説明も無いまま目の前で自分に全く関係のない修羅場が巻き起こっている。
それをただ見ている事しか出来ない、私の気持ちも少しは察して欲しい。



「……あの。お取り込み中申し訳無いのですが、先輩達は一体、何なんですか?」



もう我慢の限界だ。
思った事を率直に聞いてみた。


「…ん?マリアお姉さん、もしかして苺花お姉さんに何の説明もしてないの?
苺花お姉さんがずっと置いてきぼりになっちゃってるじゃん」


ノアが言う。

さっきの挨拶以降、基本的に話しているのはノアで、トアは挨拶以外何も話していない。


「ごめんね、苺花ちゃん。後でちゃんと説明するから」



「伸ばすなー。まぁいいけど。あ、そうそう、苺花お姉さん。もし何か“とても困った事”があったら、ノアかトアの名前を呼んで。待ってるから」

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