ドリーミィ✡ マジカリア
それでも私が1番驚いたのは、何より私自身が、『魔法少女』という存在をすんなりと受け入れる事が出来た事だった。
何故か、百合ちゃんの言う事が嘘だと思えない。
彼女の言う言葉は全て真実を述べていると、そう思えてしまう。
それは私の希望的観測なのだろうか。
それとも、昔からの親友が私に秘密を打ち明けてくれた事を、私は、私自身が思っている以上に、喜んでいるのかも知れない。
「――そう、魔法少女。ねぇ、苺花ちゃん。私の話、信じてくれる…?」
「…うん、信じるよ」
私はすぐに、自分の意思とは関係無く、そう答えていた。
そっか……と、百合ちゃんが頷いた。
「でも、魔法少女…って?」
百合ちゃんは少し眉を潜めて言う。
「うん、魔法少女――それは、宿命を背負った少女達。『私達』がどんな存在か…」
「まず、魔法少女には、使命があるの。それは、夜魔(ナイティア)と呼ばれる魔物、そう、化け物の討伐」
「な、夜魔(ナイティア)……?化け物…?それって…」
魔法少女に悪役は憑き物かも知れない…が、化け物……というと、妙に恐怖を感じる。
「夜魔は、少女が見る『悪夢』から生まれる幻――ファントムの様なものなんだ。
夜魔を放って置くと凶暴化して、少女の夢の中だけでなく、現実にまで悪影響を及ぼす。夜魔が現実にまで悪影響を及ぼし始めると、その夜魔を産み出した少女が夜魔の影響で弱ってしまう。
弱ってしまう、それはつまり、夜魔とそれを産み出した少女が『同化』してしまうと言うこと」