気になる!
大人、しかも校長という立場の人物であっても
物怖じしない凌の堂々とした振る舞いに、美鶴は委員長はやっぱり凄いんだ、と心の底からそう思えた。


校長は口が空いたままで、何かを言おうとしていたが、それは言葉としては形にならず、ため息となって空気に融けた。


「…いや、そうか。そうだな。高価な本に
目がくらんで、自分自身を見失ってたな
私は。」


と言って、はぁ、とまたため息を一つこぼし、
額に手をやった。


「教育者として反省しても余りある蛮行」


校長はえらく自虐的に言った。よほど恥ずかしいらしい。
そして改めて美鶴の方に向き直り、


「申し訳なかった。篠田さんと言ったね。
改めて、昨日の図書室の事を聞かせて貰え
ないかね。」


「…はい!」


美鶴は元気良く返事をした。
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