気になる!
―1 気になり始めた頃。
顔の前でこちらに向けた本を、パラパラパラ…
とめくられる。
「次、これ。」
同じように違う本をパラパラとめくられる。
独特のフワッとした臭いが、鼻に届く。
隣に座っていた瀬口は、俺の目を隠していた手をどける。
「……1番目が、泉鏡花『高野聖』
2番目が、『アドラー心理学入門書』
最後のやつが、『宇治拾遺物語』?」
多分、合ってると思う。
隣の瀬口と、俺の向かいに座って本をめくっていた黒木が、顔を見合わせる。
「すげぇ!」
「何でわかんの?!つか、全然羨ましくねぇ
んだけど!」
隣の瀬口の頭を叩く。黒木までは届かない。
それなりに静かだった図書室にいた生徒が、チラチラこちらを見だした。
とめくられる。
「次、これ。」
同じように違う本をパラパラとめくられる。
独特のフワッとした臭いが、鼻に届く。
隣に座っていた瀬口は、俺の目を隠していた手をどける。
「……1番目が、泉鏡花『高野聖』
2番目が、『アドラー心理学入門書』
最後のやつが、『宇治拾遺物語』?」
多分、合ってると思う。
隣の瀬口と、俺の向かいに座って本をめくっていた黒木が、顔を見合わせる。
「すげぇ!」
「何でわかんの?!つか、全然羨ましくねぇ
んだけど!」
隣の瀬口の頭を叩く。黒木までは届かない。
それなりに静かだった図書室にいた生徒が、チラチラこちらを見だした。