気になる!
その親指にささくれが出来ていた。その指でミカンを剥かせたい。
Sっ気が顔をのぞかせ思わず笑いをこらえる。
伏し目の睫毛が長い事に気付き、指の爪はとても自然な色でキレイだな、と気付いた。


もうこれは、そういう事だ。


認めざるを得ない。


「ーありがとう。」


今はこうやって当番の日に、せっせと本を借りることしか出来ない。
自分はこういう時、けっこうヘタレなんだな、
と分かった。


でも、そのうち気付くかもしれない。
もう気付かれてるのかもしれない。
貸し出しカードを見れば、篠田が当番の日にしか本を借りてないことなんてすぐ分かる。





ーでもそれは、期待はずれの思い過ごしで、全く眼中になかったという事実に、後々愕然させられる事になる。
でもあんな出来事がなければ、篠田に対してヘタレな自分としては、ずっと本を借りるだけの
行動しか起こせなかっただろう。


今なら、そう思える。


【終】




気まぐれのオマケ更新です。
読んで頂きありがとうございました。

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