『鳥』になる瞬間。
「「・・・・・・」」
先生影うっす!!!!!
あの返事、てっきり佐々木先輩が言っているものだと・・・

「じゃあエントリーしちゃうわよ~」
「あ、ありがとうございます!」
「ところで・・・、田村、幅の経験は?」
「ありません」

そう、『やりたい』と言ったはいいものの・・・俺は幅の経験が無いのだ。高跳び一筋だった俺にはやる気なんてなかったし。でも・・・中2の時の関東大会で、すごく綺麗で堂々とした跳躍をしている『藤崎千早』に憧れて・・・男が女に憧れるなんて、変な話だと思うけど。

「ないのか・・・よし、土掘って待ってなさい」
「・・・?はい」
そう言うと、先生はどこかに走って行ってしまった。
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