『鳥』になる瞬間。
彼女は目を閉じ、大きく深呼吸をすると、
「お願いします!!!」と審判に向かって、そして観客席にも挨拶をした。

その瞬間、星陽の応援していた人たちが、
「手拍子お願いしまーす!」と言ってきた。

その合図につられる観客たち。
ーーーおいおいおいおい。スター気取りかよ・・・

彼女はその手拍子を聞くと、リズムに合わせて助走を始める。そしてーーーー

「・・・・・・」

ーーー白旗だった。

それでもまだ不安を隠せない顔をしている平野先輩。そして出た記録はーーー
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