水曜日の片想い


わたし……嫌な子。


百合ちゃんがどこかへ行ってほしいなんて思っちゃう。

不覚にも橘くんと2人きりになりたいと願ってしまった。


どうしようもなく嫉妬してるの。


百合ちゃんはわたしの知らない橘くんを知っていて、わたしなんかよりずっとずっと仲が良い。


たとえただの幼なじみだとしても、こんな可愛い子が近くに居たんじゃわたしなんて霞んで見える。


どうしてわたしは何も取り柄がないんだろう。


頑張ったって、叶わないことがある。

どうしようもないことだってあるんだ。


突きつけられた残酷な現実にただ泣いていればいいの?


百合ちゃんが橘くんを好きじゃなければいいのにって、願うことしかできない。


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