水曜日の片想い


本当にわたしのために買ってくれたものなんだ。


「早く元気でも出せ」という言葉から連想できるのは、わたしが昼休みに逃げ出したことを気にしてくれたんじゃないだろうか。


人に興味がないように見えて、本当はちゃんと見てくれてる。

小さなことでも気づいてくれる橘くんは本当に優しすぎるくらい優しい人なんだ。


だから余計にドキドキするし、好きなったの。


「ありがとう!」


その優しさが嬉しくてすぐさまメロンパンの袋をグッと引っ張った。


ひと口かぶりつくと、メロンパンの甘い風味が口一杯に広がってくる。


「えへへ、美味しい………!」


橘くんから貰ったものだも思うと、ただの購買のメロンパンがとても高級なものに見えてくる。

昼休みにもらったチョコレートと同じ魔法がメロンパンにも掛かっているみたい。


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