水曜日の片想い
「ここ飲食禁止だけど」
「ふぇっ!?」
冷めた橘くんの声を聞いてようやくハッとした。
嬉しくてすぐ食べちゃったけど、ここは図書室。
飲食禁止なのいつもなら忘れないのに、つい舞い上がって…………。
「ご、ごめんなさい……」
橘くんの大切な場所でなんてことをしてしまったんだろう。
これだから悲観的になりやすいんだ。
自分の首を締めるのはいつだってわたし自身なのだから。
「ははっ、貰ってすぐ食べるなんて相変わらずバカだな」
そして、そんな暗闇に落ちたわたしを橘くんは一瞬にして日の当たる場所まで連れ戻してくれる。
太陽のように眩しい笑顔を見ると、悩んでいたことなんてどうでもよくなっちゃう。
橘くんが笑ってくれるなら、なんだっていいんだ。
どんなに素っ気ないことを言われても、最後に見せてくれる笑顔で全てを許したくなる。
緩む顔を抑えきれず、バカって言われて喜ぶ変な性癖がついた人だと思われそう。